$1.625/lbは何の数字でしょうか?
おはようございます。
クリスマス休暇によって、相場も小幅な値動きに終始し、国内も、スクラップそのものが「発生の減少」に直面しているようで、厳しい年の瀬を迎えています。
暮れのご挨拶にお客様のところを伺っていると、いろんなことを考えさせられる毎日です。
さて、今日は、チリ・ペルー・エクアドルといった銅生産の盛んな国のことについて。
チリ政府は、今週、国内ほぼすべて(国内生産の約91%)の鉱山をカバーした、銅生産コストを発表しました。
それによると、2015年度第二四半期の場合は、$1.625/lbであって、前年同期よりもコストダウンしているとのこと($1.655/lb)。内訳の一端は、エネルギーコスト下落と、人件費削減により、各々4.9セント、4.6セントのコスト削減につながったというものです。
今さら半年もまえのデータで・・・という指摘もありますが、そのときよりも原油は30から40%も減少しているので、ひょっとするともっと余裕があるかもしれません。
概して、$2/lb以上なら、十分に儲かるという体質なのです。
チリ同様のコスト構造かはわかりませんが、ペルーやエクアドルでは、銅生産の増加が見込まれています。
ペルーでは中央銀行発表の資料によれば、2015年10月の銅生産は、前年同月比で30%以上アップしました。
※割合を議論するときは基準が大切ですが…。
さらに、2016年は年産で250万トン、なんと前年比60%超の増産見込みです。
この理由は、今年、国内の2つの鉱山での生産が本格稼働あるいは増産できるようになったことと、来年早々にも別の鉱山が生産を開始するためです。
エクアドルの発表は、中国企業に率いられた鉱山の稼働が、2018年に本格化するというもの。ここでは、年間40万トン前後の生産が見込まれています。
こんなに増産してどうするのでしょうか?
中国に向かうというのが答えですが、何やら不思議な気がしないでもありません。
いずれにしろ、世界の銅に関するニュースのなかには、相場を意図した方向に誘導したいという何らかの思惑の存在を勘繰りたくなるものがあります。下手すれば、ほぼすべてです。
政府発表、資源メジャーはもちろん、投資会社や「匿名の関係者」まで・・・、銅相場の世界は、魑魅魍魎です。