銅とアルミの戦い
みなさん、こんにちは。
最近の銅相場、月初より67万を維持しています。
お陰様で、弊社のお客様には、そこそこ、お取引いただいています。
感謝です。
ところで、弊社は「非鉄金属スクラップ」屋ですが、中心は銅です。
銅の中でも、いわゆる「ピカ線」、またの名を「特号銅線」を、市中でも弊社ヤードでもよく目にします。
で、それらは、一般的にいうところの「電線」の中にあります。
電線に銅が使われているからこそ、我々の仕事は成り立っているということです。
そればかりか、だからこそ世界各地では電線の盗難が相次いでいるのです。
さて、中国では、その電線をめぐって、銅の業界とアルミの業界がし烈な戦いを繰り広げています。
送配電網にアルミ電線が使われるようになり、それが銅電線に取って代わろうとしているから、抗争勃発と言った具合。
もっとも、それによりアルミ業界の景気がよくなるか・・・というと、既にある生産過剰を解消するには至らないようです。過剰な分を多少吸収する程度でしょうか。
アルミの場合、銅の半分程度で送配電網を整備でき、コスト意識の高い工場経営者には、当然それが魅力なわけです。
したがって、先を見据えれば、銅業界は戦々恐々、守勢に立たされざるを得ないということです。
そして、両業界の議論は、国家戦略のあり方まで飛躍を見せます。
アルミ業界はこう言います。
「中国は、銅の純輸入国である。だから、もし銅の輸入がままならなければ、中国の経済や社会に重大な影響を与えることにつながりかねない。代替資源としてのアルミニウムの普及こそが、中国経済や社会の強化につながるはずだ。」
そして、反論。
「中国は、海外の銅鉱山に大規模な投資を進めてきた。もはや、中国は、世界の銅資源を支配力している。アルミ原料のボーキサイトを見てみろ、銅にはかなわないではないか。」
しばし見られる、おなじみの新興勢力と抵抗勢力(既得権益側)の戦いです。
ところで、最近は、PPCやグレンコアなど世界大手の首脳が、供給のタイト感を相次いで表明し、相場の持ち直しを予想しています。
得てして、供給サイドの発言は、思惑が透けて見えるためか、市場に対してインパクトを持たないことがままあります。
ただこれも、中国の文脈の延長で見れば、それこそ地球上の銅業界が一体となって、商品市場に戦いを挑んでいる姿に見えなくもありません。
株式会社増岡商店の社員一同は、今日も元気に働いています。
宜しくお願い致します。