非鉄金属スクラップ問屋(株)増岡商店@東京のブログ

非鉄金属スクラップでおなじみの株式会社増岡商店の営業社員が、スクラップ業界に役立つニュース他、有益な情報をお届けします。

12月になりました

みなさん、こんにちは。

12月になりました。

相場上昇でウハウハかと思いきや、そうではありません。

国内需要にさほどの盛り上がりが見られません。

したがって、市中相場も、建値に追随する動きは乏しい状況です。

いったい何が起こっているのでしょうか?

中国経済には復調の兆しがうかがえて、アメリカ経済は、トランプ新大統領の財政政策や公共事業投資に関心が高まり、それらがロンドン市場をけん引しているフシがあります。日本や欧州の動きは蚊帳の外です。

そして投資家間では、先々のインフレ懸念から資金を投じる動きがさかんなようです。

ゴールドマンも、コモディティ商品の「オーバーウェイト」を推奨したとか。

 

これらに関連して、興味深い動きをひとつ。

今回の一連の上昇に関して、中国系投資家の動きが注目されています。

ご承知のように、上海市場での上げが止まりません。

面白いのが、中国人個人投資家は、FEDやECBがどうのこうのとか、まったく知らないらしいということです。うぶで、ずぶの素人と言ってよいのでしょう。

彼らは「世界経済の末端の人間が繰り広げるだけの知ったかぶりの話には全く興味がない」と。

じゃどうして?

国内不動産市場の動向を注視するのです。

そして、建設ブーム=銅需要の盛り上がりといった単純な図式のもと、資金を投じているというのです。

どういうことか?

ご承知のように、世界の銅消費の45%は中国によるものです。

その中国で、銅の需要が確実ならば、相場は上がるはずだという確信があるのです。

 

消費に目を転じると、トランプ公共事業に対しても冷静な見方が得られます。

そもそも、何を造るのか、はっきりしていません。

道路では困るのです。

可能性にとどまるレベルで試算をすると、世界第二位18%の銅消費国アメリカで、ちょっとやそっと銅消費が増えたところで、世界市場に与える影響が乏しい、となるのです。

 

もちろん、上海市場の動きには、鉄筋や石炭など、他の商品市場での規制強化による資金逃避という一面もあります。

さらに、党人事刷新を控え、現指導部がそのメンツを潰すような失態を犯すべくもない、という中国独特の見方も、強気姿勢につながっています。

 

こうした中国の動きを前にして、欧米系の投資銀行のなかには、来年をコモディティ回復年と位置づけるところが出てきました。

 

国際銅相場に対して安心できるにしても、国内で売れないんじゃ意味がありません。

現物はキャッシュを生みません。むしろ在庫による利息負担を強いられます。

日本国内でも需要が盛り上がってほしいなあと思います。

 

買い取り強化期間中です。

銅売却のおりには、株式会社増岡商店を宜しくお願い致します。

 

 

銅建値720円!!!

みなさんおはようございます。

2週間前に執筆したときは、銅建値が620円だなんて喜んでいたのもつかの間、今朝720円になってしまいました。

ホント、ヤバいです。

もっとも、足元の状況で見ると、建値額面通りにはいっていません。

ご存知のように、AVGとの乖離が著しいためです。

今朝の改定により、その乖離も

建値:720円

AVG:629円 計91円となってしまいました。

実際、先週ごろから、12月に入ってからね・・・という雰囲気が濃厚になってきたように思います。

そりゃそうです。

♪ もういくつ寝ると、〇〇〇円 ♪と、口ずさんでみてください。

今の価格よりも、100円とまでいかなくても上がっちゃいますよね。

ウキウキしてきませんか?

 

さて、こうなると、さらに上がるのではないか・・・という、欲が頭をもたげませんか。

この点に関して、筆者は、さらに上がると思います。

理由は、2つ。

① 中国の景気回復が相当以上に早く、しかも来秋まで安心できること。

② 鉱山供給の先細り。

日本でスクラップ現物をいじっていると何の関係もないことです。

しかし、世界市場の関心ごとであり、今回の上げにも関与しているようです。

 

一時の「トランプ・ラリー」は、専らインフラ投資が注目を集めたものの、徐々にその実態は不明であることに気づく人が増えています。

したがって、その全貌が見えてくれば、多少は相場を動かすかもしれません。

いずれにしても、中国は、たとえ見かけに過ぎないことがあっても、堅調さは保たれるでしょうし、鉱山供給がしぼられるとなれば、銅相場が上がらないはずはありません。

7000㌦まで見えてくるものと考えます。

問題は為替でしょうか?

 

これについてはまた改めて。

銅相場状況

みなさん、こんにちは。

ついつい2カ月近くも執筆を放棄していました。

そうこうしているうちに、先週から、ヤッターマンの銅建値620円ですョ。

いったいぜんたいなぜこんなに上がったのかしら?

 

LME銅相場、足元での前提をいくつか確認しておきましょう。

1 需給が引き締まりつつある

ゴールドマン・サックスが、”wall of supply"なんてことを言ったのはいつか?

彼らも今回の上げでは大きく損したことでしょう。

そう、供給過剰懸念は、大分和らいでいるもようです。

LME在庫減にも関わらず上海では増えていないことから、(中国での)実需に支えられていると理解されているようです。

2 テクニカル分析の壁を突破した

抵抗線やフィボナッチ・リトレイスメントなど、さまざまな分析から得た分岐点を突破することで、新規資金流入が相次ぎ、市場に勢いが付いた。

ベースメタル市場が、はじめてロボット取引に席巻されたとの見方もあります。

3 中国が安心できる

LME週間で議論されただけでなく、その後の統計からも、中国経済の回復が想定以上のペースで進んでいるというのが、市場関係者の大方の認識のようです。

さらに、来年は、秋に指導部刷新を控えていることから、中国経済をとんでもない方向に導くことはない・・・という安心感もある。

そもそも、さかのぼること10月25日、当時の上げは、中国国内での銅需要の高まりを背景としていました。もちろん、それに対しては、元安と、それをてこに、内外価格差を利用した裁定取引で儲けるというスキームの存在も指摘されました。

が、それもいまやどこ吹く風・・・という感じです(上海在庫が増えないので)。

 

で、どうなるか?

短期的には、今回の上昇で相当資金流入が相次いだようであり、それらの利益確定による売りのタイミング到来を避けて通れません。

しかし、長期的には中国の安定感があり、そこにアメリカの大規模公共投資とリフレ派の財政政策が加わることで、経済活性化。

そこから銅相場上昇というシナリオが描けるはずです。

為替も、アナリストが言うところの「トランプ」=「円高」シナリオは、短期的には嘘でした。

今後で見ると、性懲りもなく「95円から120円」なんていう、予想でも何でもないいい加減なことを言う人がいます。

 

ここは無責任言論の強み、筆者はずばり言い切ります。

来年は700円越えだと思います。

 

ひょっとしたら、金属スーパーサイクルよ、ふたたび?じゃないかなあ・・・。

 

銅相場のこと

 

みなさん、こんにちは。

銅相場ヮ、最近好調です。

円高に振れなければ、今日にも10円上げの540円か?と思っていましたョ。

 

さて、どうして好調なのでしょうか?

原油とのバスケット取引がらみ、米国利上げ見送りなど、他の商品市場や金融市場の要因もありますが、何より中国です。

住宅市場が元気だし、鉱工業生産その他経済が復調しつつあります。

 

思えばここ最近の低迷期、ファンダメンタルズに注目した報道が多くありました。

その中には、なんと、ここ日本の補正予算執行に伴う公共事業に着目するもの、とりわけリニア着工前倒し、さらには、米国新大統領のもとでのインフラ投資を見込むものなども含まれていましたョ。

今年話題の「供給過剰」を克服するためか、どうやら市場ヮ「実需」に関心を向けていたようですネ。

商品市場のあるべき姿に戻りつつあるというべきでしょうか?

この調子なら・・・来るかモ?

でも、中国は季節要因の可能性が否定しきれず、リニアも、銅相場に影響を与えるほどのものではありません。米国大統領選も、どちらがなるにしても、その先行き不透明感から投資家心理を冷やす可能性が指摘されていますネ。

いつの間にか、みんな、先のことばかり心配して、今を楽しむことを忘れているようですョ。

 

持込大歓迎、銅スクラップ処分のご用命は株式会社増岡商店に宜しくお願い致しますョ。

 

銅建値上げのスタートです

みなさん、こんにちは。

昨日より9月。

銅建値52万(△1万)でのスタートとなりました。

 

(維持ではなくて)上げて始まるのは、2016年2月と7月に続いて3か月目です。

8月末に51万円を付けたとはいえ、ここのところ、ずーっと荷物の集まりが良くないので、51万円で買えた量なんて、高が知れています。

そもそも、51万の値付けで買えたかどうかすら怪しいものです。

 

というわけで、現在、ピカ線、1号銅、2号銅他、全品種全品目を高価買取キャンペーン実施中です。

非鉄金属スクラップの買取のご用命は、何卒増岡商店まで、宜しくお願い致します。

 

もう少し上がってから売る・・・とおっしゃる方は、たくさんいらっしゃいます。

その水準を聞けば、570円…610円…orz

 

では、いつになれば610円になるのか?

(610円は2016年最高値です)

1月4日、3月14日、4月25日が61万に改定された日です。

 

1月4日(ザックリと) LME:4650 TTS:120

3月14日 LME:4990 TTS:114

4月25日 LME:5000 TTS:113

 

現状は LME:4650 TTS:103ぐらいです。

 

こうしてみると、円高さえなければ、LMEの1月水準では61万がありえたのです。

 

じゃあ、1ドル120円になるのでしょうか?。

さて、株価予想については、大見得を切って「20,000円超」というアナリストが結構いました。

しかし、為替に関しては、円高(ドル安)を見込む声をちらほら聞きました。

その根拠として挙げられていたのが、「(相対的)購買力平価説」という考え方です。

消費者物価と企業物価がありますが、企業物価に照らしてみると、100円程度までの円高は想定されていました。

この意味で、現在の為替水準は、合理性があると言えなくもありません。

toyokeizai.net

もっとも、短中期で見れば、為替も需給に支配されます。

したがって、いつまでも購買力平価にしがみついているわけではありません。

実際、「安全資産」として買われれば急騰するのが円というイメージを多くの人と共有することは可能だと思われます。

ややこしいことは、「売りを浴びせられる円」というものを容易に想像できない点にあります。

ドルが一挙に必要になる事態・・・、あれでしょうか?

 

結論として、120円は遠いということにしておきましょう。

 

では、メタル5000㌦はあるでしょうか?

これは大ありです。

2018年に入れば、5500㌦までいくはずです。下手すりゃ6000㌦ですよ。

 

最後に、年内610円は来るでしょうか?

筆者は、ないと思います。

年内480円から550円と見ています。

LMEは現在のところ4600㌦で値固めしていると思いますが、在庫の急増を受けて、まだまだ予断は許しません。

これはまたあとで。

 

最近の銅相場状況

みなさん、こんにちは。

銅建値が520円にまで下がり、なかなか難しい毎日が続いています。

さて、最近の銅相場についてです。

ロンドンは、4,700から4,800の範囲で動いています。

為替は、2桁には入りそうで入らない、入ってもすぐに出てくる。

熱湯風呂、わかる人にはわかる。

 

ロンドンの先行きについて。中国の7月の銅地金、製品輸出、半端ないようです。

なんと、75,022トン、前年同月比で5倍以上の伸びです。

世界最大の銅消費国でなかったかしら?

ゴールドマンやバークレイズが相次いで警鐘を鳴らしている、銅供給の伸びが銅需要のそれを上回るという問題、注視が必要です。

 

為替、これはジャクソンホールを待つしかありません。

サプライズはないとの見方が大勢を占めていますが、さてどうやら?

8月は、米国債利払いと企業の為替予約の関係で円高に流れやすい時期です。

 

いずれにしても、あまり好調なニュースはありません。

筆者は、年内銅建値は、下480円、上570円があると予想しています。

今のところは、下に向かいそうな気が・・・。

残暑厳しき折、怪談話の一つや二つ耳にすれば、一気に涼しくなるというもの。

 

また何かあったら報告するぜよ。

 

 

 

 

銅メダルの真実

 

みなさん、こんにちは。

東京は昨日、今日とやたらと暑い1日になっています。

 

今日は、お盆を前に、スクラップに興味を持ってもらえるようなことを書きます。

 

世の中はオリンピックに関心が集まっています。

オリンピックで、メダルの数が何個だとか気にしている人がいます。

金、銀、銅のあれです。

そのうち、もっとも価値が低いものは「銅」です。

もっとも、これを何故かゴールド、シルバー、ブロンズと表現する人がいます。

馬脚を現すか?

 

 

 

ついにきました、我々スクラップ屋の出番です。

ブロンズ ≠ 銅

であると、声を大にして言いたい。

 

 

 

 

横文字を駆使する人は、ブロンズということで、銅よりも「金銭的」価値が低いことを明らかにしているのです。でも、一方で、正直者でもあるのです。嘘つきではありません。

 

我々スクラップ屋稼業で、ブロンズと銅を間違えて買い取れば大損をぶっこきます。

 

ブロンズが意味するものは「青銅(せいどう)」です。

銅を主成分に、錫(すず)を加えます。

石器時代に続いての青銅器時代というときのあれです。

スクラップでは、青銅よりも砲金(ほうきん)ということの方が多いです。

これは、青銅が、大砲の砲身に使われてきたためで、英語ではgun metal(ガンメタル、色にもなっています)、日本語ではそのまんま「砲金」となりました。

※金属の用いられてきた歴史を調べると、人々は、昔からよく考えてきたんだなあ・・・という驚きを禁じ得ません。

実際には組成成分の種類や量によってさまざまな性質を示すわけですが、青銅=砲金と理解していても間違いではないはずです。

で、スクラップの買取価格としては、銅 > 青銅(砲金)なのです。

オリンピックメダルを金属くずとして売る場合、銅では売れないということです。

 

もう少しメダルについて。

オリンピック憲章ではメダルの規格が定められています。

・メダルは、少なくとも直径60ミリ、厚さ3ミリでなければならない。

・1位および2位のメダルは銀製で、少なくとも純度1000分の925であるものでなければならない。

・また、1位のメダルは少なくとも6グラムの純金で金張り(またはメッキ)がほどこされていなければならない。

 

www.joc.or.jp

金、銀、銅メダルのいずれも「少量でも金・銀・銅を含んでいる」と理解しておくのがよいでしょう。

もっと単純に、そしてこれが普通なのですけど「色」だけとするのがいいです。

 

ただ、素材を知っておくと、売ろうとするときに、あれっ?・・・となる事態は避けられます。

 

ちなみに、それぞれの地金価格を参考に、材料費だけを考えてみます。

金 1g小売価格  4796円

銀 1g小売価格    72.90円

銅 1g小売価格     0.53円(銅建値530円/kgから)

                                8/10執筆時点

 

今回のリオ五輪のメダルは、直径が8.5cm、重さが500gで夏季の中では最も重くできています。

憲章通り、金6gが使われているとして

金メダル 金 4796×6=28,776円

     銀が残り494gとして

     銀 72.90×494=36012.6円

     約64,789円

 

なお、ロンドン五輪では、いわゆるスターリングシルバー925が使われたために、銅が6%を超えて含まれていましたが、リオ五輪では99%銀分なのです。

これは、リオ組織委員会の自慢しているところでもあります。

 

調子に乗って続けると、銀メダル、全部銀でできているとして36300円、銅メダルは、高価な錫は1%以下、あと割安な亜鉛も数%含まれるから、間をとって100%純銅としても265円です。

 

以上、銅メダルの真実をまとめると・・・

① 実際の材料は銅ではなくて、青銅(ブロンズ)。

② 純銅だとしても、数百円の材料費

 

単純に金銀銅を言いかえるのなら、ゴールド・シルバー・カッパーとしましょう。

カッパーというのが、なんか笑っちゃうのでブロンズなのかもしれません。

 

どうして頭にお皿を乗せたあいつの姿が浮かんできませんか・・・残暑厳しき折、涼とされたし。

 

柔道の選手が銅メダルでしょぼくれているのを評して、「頑張ったのだから、それでいいじゃない」という世論の声があります。

実際、銅メダルを喜んでいる海外選手をひきあいに、みんな、銅メダルでも喜んでいるじゃないかと言う人もいます。

でも、金メダル獲得とその後の歴史に金メダリストとして名を残すという、人類の中でその瞬間、一人しか手にできない至高のものを目指して、4年間それだけに打ち込んできた人からすれば、「貰っても銅じゃ・・・」となるのも理解できる気がします。

銅メダル、安いし。