5月を振り返る
みなさん、こんにちは。
今月は大変厳しい月でした。
ここで、建値の推移を振り返ってみましょう。
GW前 61万
5月6日 56万(▲5万)
5月12日 55万(▲1万)
5月24日 54万(▲1万)
5月27日 56万(△2万)
月初の5万の下げは、いうなれば、1R1分13秒でノックアウト負けという体です。
その後、ノックアウトされ、リング外にいるにもかかわらず、どういうわけかボコボコに殴られ続け、やっと最後に助けが入った・・・。
建値が下げ続けるということは、仕入れと同時に評価損を計上することになりかねず、大変きついものです。
我々スクラップ業界の人間は、銅建値は当然、その傾向を押さえておくために銅相場にも注意を向けています。そして、銅相場にはそれなりの変動があって、高値を付ける瞬間もあることから、その時に売れば、儲けを出すことは可能なはずです。
しかし、銅相場に直接参加できず、問屋としての売りも契約次第であり、手足を縛られています。要は、「時間」が与えられていないのです。
だったら「銅建値」の先行きを読んで、博打を打てば・・・と思うのですが、スクラップ発生量が乏しくなっていて、在庫を溜め込むことも容易ではないし、むしろ、それは危険な行為とも思われます、銅相場の予想をふまえると。
かつて一世を風靡した概念に「ブルーオーシャン」、「レッドオーシャン」というものがあります。
競争過多、儲けの出ない現在市場が「レッドオーシャン」で、(少なくとも初めのうちは)競争がなく、ほぼ独占的に儲けを得られるのが「ブルーオーシャン」という感じでしょうか。
もはやレッドオーシャンかもしれませんが、1000円カットの床屋市場はブルーオーシャンだったと記憶しています。
で、なぜ1000円カットの床屋さんが誕生したかというと、現在主流のビジネスモデルの逆張りです。ただし、顧客ニーズの充足ポイントを外してはダメです。
普通の床屋:時間がかかる/サービス多い/駅から遠いところにもある・・・
1000円カット: 短時間/サービスなし/駅近・・・
逆張りだけではうまくいきません。
普通のスクラップ屋:引取/高値買い/何でも買う/駅から遠い
新時代のスクラップ屋:持ち込み/安値買い/特定品だけ買う/駅から近い
ダメだ、こりゃ。
根本的には単純な話だと思います。
床屋の場合は、1000円×想定客数×店舗数・・・という収益モデルが設計できるのに対して、我々スクラップ屋は、当初の価格が一定せず、上下に変動し、それにつれて客数も変化する仕組みなのです。
実は、この相場商品を扱うという点で考えると、証券会社のような手数料ビジネス向きかも・・・と思う時があります。いわゆる商社さんのビジネスです。さすが損を最小にするという点ではぬかりがありません。
スクラップを出してくれる先と、弊社納入先との間に売買契約を成立させ、その仲介手数料を得るというような・・・。
ただ、これだと収益の予想はたてられても、大儲けがありません。相場が大きくはねたときにも儲かりません。そこが苦しいところです。
商社とスクラップ屋の境界もあいまいになるし・・・。
中国をはじめとする新興国経済が弱くなりつつあります。
世界経済が「リーマンショック前と同様の危機」(By 安倍晋三)にある今日、我々は来たるべき、ふたたびの「リーマンショック」に備えておかなくてはいけません。
銅相場は、中国経済の衰退に目が向いていて、当面弱含みの見立てが大勢ではないでしょうか。さらに、米国利上げ(7月が有力か?)によるドル高が重石になります。
どうしたものか・・・?よく考えてみようと思う今日この頃です。