当分強気の銅相場?
みなさん、こんにちは。
今週は、出張に出かけており記事を書くことができませんでした。
日々海外の銅相場を追いかけてはいますが、国内では市中価格の上昇が見られないばかりか、いささか弱含みのような雰囲気さえ浸っています。
にもかかわらず、世界ではこうです。
Gloomy Mining Chiefs See Copper-Tinted Light at End of Tunnel - Bloomberg Business
「資源ビジネスのトンネルの向こうにかすかな光、それが銅」
もちろん足元で動かざるを得ない我々と、長期的な収益を目論むグローバル企業とでは相場観が違うことは当然ではあります。
内容は、以下のような感じです。
鉱山ビジネスの大手各社は、鉄鉱石や石炭の「余剰」にどう対応すべきか、最近まで侃々諤々の議論を展開してきたが、こと銅となると、各社、波長が合う。
今月に入り、BHPビリトンやアントファガスタ、リオ・ティントにフリーポート・マクモランまで、「余剰」に引きずられない資源として銅を挙げたのだ。
需要の回復は、中国政府が、最近のインフラ開発の遅れを受けて、銀行に対してプロジェクトへの資金供給を止めないように促したという報道にあるように、急回復しつつあると見込まれる。
ロンドンにあって、440億ドルの資金運用量をもつベアリング・アセット・マネジメント社のクライブ・バーストウさんはこう言います。
「もしあなたが、唯一、構造的かつ長期的に強気のコモディティ商品を探すなら、銅を見なさいよ」
BHPビリトンのCEO、アンドリュー・マッケンジーさんは、
産業自体の見通しは暗いとしながらも、
「取り扱う鉱山資源は、ちょっとした需要過多には、ちょっと掘れば対応できるけど、例外は銅だ。」と言っています。
2011年に記録した10,190ドルの高値には程遠いものの、今年1月14日の最安値からは、現在13%程度上昇しており、わずか0.3%のアルミや8.5%の亜鉛、はては15%ダウンの鉄鉱石に比較すると、なるほど強い。
バークレイのアナリストは、最近の銅相場の上昇は需要の急回復によって支えられていると言う。
リオ・ティントの銅部門責任者ジャン・セバスティアン・ジャックさんは「We Love Copper」と言う。(同社は14年の利益のうち、81%を鉄鉱石に頼っていた)
同氏によると、
・今後10年で銅は800万トン前後の供給不足が懸念されている。
・それは世界最大のエスコンディーダ銅山クラスで8つ分に匹敵する。
・エスコンディーダ銅山を運用開始しようとすれば、今から25年くらいかかる。
リオ・ティントのみならずグレンコアのCEOも、株主総会の場で、
「銅は不足に向かっている。いつも銅は供給過剰だと言われてきた。だが、品位は悪くなっている。我々は現在の生産量確保に躍起になっている」と述べた。
いつものことながら、鉱山企業大手の発言であり、業界にとり有利な方向に導こうとする意図、各社がそろいに揃うと、陰謀のにおいすらしないでもありません。
中国頼みも、いわゆる「希望的観測」である可能性が大きいかもしれません。
原文でも、慎重に”speculation”と表現されます。
でも、「銅品位が悪くなっている」となると、ことはそう単純ではないのかもしれません。
この辺は、スクラップ屋の私にはまったくわかりませんが。